古くは戦前から使用している「山車」。ひび割れ、腐敗などの劣化が激しくいつ崩れてもおかしくない状態を改善したい
650年以上前から続く伝統行事 初午まつり「火伏せの虎舞」

加美町中新田地区では、毎年4月29日に、「初午まつり」が開催され、伝統芸能である「火伏せの虎舞」が披露されるほか、花飾りなどで彩られた3台の山車が地元の小学生に引かれ、地区内を練り歩きます。町内外から4万人を超える多くの見物客で賑わう、町内の一大イベントとして定着しています。
祭りの起源~雲は竜に従い、風は虎に従う~

約650年前、北西の強風が吹き荒れ、大火に見舞われることがあった中新田地区の当時の城主が、「雲は竜に従い、風は虎に従う」といった中国の故事にならって、稲荷明神の初午まつりにおいて、虎の威を借りて風を鎮めることで、火伏せを祈願したことが祭りの起源といわれています。
受け継がれてきた伝統

その後は、城下町の火難防止と繁栄策として取り入れ、当時の火消しが「花ばれん」や造花で飾られた山車を引きながら町を練り歩き、家々で虎舞を舞い火伏の祈願をするという今の祭りの原型が完成し、現代まで受け継がれてきました。
加美町の春、少年たちは虎になる

虎に扮するのは地元の中学生たち。練習を重ね、祭り当日は2人一組で虎に扮して家々を回りながら伝統の舞を披露し、火災の防止や家内安全を祈願します。
青空の下、躍動する虎たち

花楽小路商店街では、高屋根に上った虎たちが、笛の音と勇壮な太鼓の囃子に合わせて舞を披露。その迫力に、大勢の観客からは大きな拍手が巻き起こります。
これからも続けていきたい!少年たちの思い

高校生になったら太鼓、社会人になったら消防団に入り虎舞を続ける人もおり、長い伝統が地域の中で受け継がれてきました。今年が虎舞を始めて3年目という中学生たちは「観客が喜んでくれるのが嬉しい」「虎に個性が出るのがおもしろい」「これからも続けていきたい」と虎舞の魅力を語ってくれました。
神様を祀る3台の山車が地区内を練り歩き、祭りを彩ります

初午まつりで出される山車には神様を祀っているとされ、3台の山車が祭り当日、中新田地区を1日中練り歩きます。その中の1つの山車には稲荷神社からご神体をお借りして山車に乗せ、祭りの当日は必ず、稲荷神社で舞を奉納してから町へ練り出します。昔は、ほかの2つの山車は稲荷様を乗せた山車が動きだすまで、山車を出せないといった決まりがあり、祭りが始まったとされる稲荷神社へ舞を奉納していた際の名残とされる慣例が残っていました。
初午まつりの伝統を、次の世代へつなぎたい。
~山車復活プロジェクト始動!~

初午まつりで使用されている山車については、古いもので戦前から使い続けられているものもあり、老朽化が進んでいます。経年劣化により、山車の土台部分や舵取りの部分の劣化が激しく、この状態で使用を続けていると祭りの日に動かしている時に動かせなくなることや、山車自体が崩れてしまう危険性があります。

数年前から山車の大規模改修の費用を確保する取組として、祭りを見に来てくださった方や、地元の住民の皆様への募金や寄附を募ってきましたが、目標金額まではまだ遠い道のりとなっています。
今後も伝統ある初午まつりの形を崩さずに、次の世代に継承していくためにも、なんとか山車の修繕を行い、伝統ある初午まつりの形を崩さずに次の世代に継承させるため、全国の皆様に広くお声がけさせていただくこととしました。
約650年前から続く伝統を未来に残すためにも皆様の温かいご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。
寄附金の使い道
祭りに欠かせない3台の山車の修繕に活用させていただきます。
目標額を上回った場合、下回った場合でも本事業に活用させていただきます。
寄附者の皆様へメッセージ
加美町長 石山 敬貴

加美町中新田地区には、宮城県の無形民俗文化財に指定されている「火伏せの虎舞」という伝統行事があります。650年以上前から続く防火を願う行事として毎年4月29日に行われ、当日は3台の山車が町内をねり歩き、各所で虎の勇壮な舞が繰り広げられるなど、町内外から4万人を超える多くの見物客で賑わう、町内で最も大きなイベントです。
古くは戦前から受け継がれている山車ですが、木造のため、割れや腐敗により手直ししながら使用しておりました。3台ある山車の全てが同じような状態であるため、しっかりと修繕し、次の世代へ受け継いでいきたいという思いがございます。
修繕には高額な費用を要するため、加美町出身の方々、加美町にお心をお寄せ下さっている方々のご協力を得て、火伏せの虎舞に欠かせない山車を生き返らせることができないかと、今回のプロジェクトを立ち上げました。
何卒、ご協力の段、よろしくお願い申し上げます。
中新田火伏せの虎舞保存会会長 大杉 義和
初午まつりは加美町が一年で一番元気になる日。私の人生にとっても欠かせない存在です。虎舞に参加してくれていた子どもたちが、成人してからも町で会うと声をかけてくれるのがとても嬉しく、これからも伝統が続いていくことを願っています。そのためにも、大切な3台の山車を修繕し、次の世代に良い形でバトンを渡したいと考えています。山車復活プロジェクトへのご支援どうぞよろしくお願いいたします。

㈱中勇酒造店 代表取締役社長 中島 崇文
加美町の春を彩る「火伏せの虎舞」。初午まつりでは、当蔵庭園内の池で火伏せの虎舞を披露していただいており、毎年多くの方々に、ご観覧いただいております。私自身も小学生の頃に山車引き、中学生では虎舞演舞を行い、今でも良き思い出として心に残る経験をさせていただきました。
町を練り歩く立派な山車は単なる祭り道具ではなく、地域の技と誇りを映す文化財。長い年月をかけて受け継がれてきました。しかし、木材や装飾は風雨や時間とともに劣化します。修繕や保管には多くの手間と費用がかかります。
是非、この山車復活プロジェクトにご支援の程宜しくお願いいたします。

さいごに
今回の加美町(かみまち)の取り組みについて、プロジェクトページを最後までご覧頂き誠にありがとうございます。
約650年前から続く伝統を、未来に残すためにクラウドファンディングでのご支援をお願いいたします。