未来へつなぐ、文化の拠点
―安田侃彫刻美術館アルテピアッツァ美唄再生プロジェクト
誰もがこころを広げられる芸術広場
安田侃彫刻美術館アルテピァッツァ美唄
安田侃彫刻美術館 アルテピアッツァ美唄(以下、アルテピアッツァ美唄)は、今を生きる全ての人が、無心に、自由に、思い思いの時間を過ごすための芸術広場です。
炭鉱で栄え、衰退していったこの土地の記憶、人々の思いを、場のエネルギーとして受け止める空間は、過去、現在、未来という時の流れの中で、静かに佇み続けています。そうしたかけがえのない空間となることを願いながら、美唄市と美唄市出身の世界的彫刻家・安田侃氏によってこの美術館は作られました。
広がる景色の中に置かれた彫刻が、自然と一体となって息づくこの空間は、見る人自身のこころを映し、自分との対話ができる場所です。
アルテピアッツァ美唄(旧栄小学校)は、地域の歴史を語り継ぐ場として、日本遺産『炭鉄港』の構成文化財にも指定されています。


旧美唄市立栄小学校体育館(アートスペース)
アルテピアッツァ美唄のストーリーは、現在の「アートスペース」から始まりました。
「アートスペース」は、かつて美唄市立栄小学校の体育館として使用されていた建物を再生した空間です。この空間が再生されるきっかけとなったのは、日本でアトリエを探していた安田氏に、市が、当時廃校にされたままの旧栄小学校体育館の利用について、話を持ち掛けた1985年頃に遡ります。
外周りは雑草と高いヤブに覆われていましたが、内部は、丸屋根木造構造で、どこか人を惹きつける素朴さを残していました。床は腐りはじめ、天井からは雨漏りし、このまま時が経てば、閉山を機に朽ちていった他の建物同様になっていくことが目に見える状況でしたが、「この元栄小学校の一部が残っていたのは、すき間だらけの寒く凍える古い校舎に通い続けた幼稚園児がいたお陰だと思う」と、安田氏は語ります。


アルテピアッツァ美唄の誕生
アルテピアッツァ美唄の誕生には、当時の栄幼稚園に通っていた子どもたちが大きく関わっています。
この栄幼稚園は、かつて、炭鉱町の小学校として多い時には、1,250名以上の児童が通っていた、美唄市立栄小学校の校舎を活用していました。通園する園児も減り、閉園寸前だった幼稚園でしたが、体育館のなかにポツンポツンと置かれ出した安田氏の彫刻を時折、摩訶不思議なものを発見したように窓からのぞき込む子供たちの姿が見られるようになりました。
一面真っ白な雪に覆われた山の中の幼稚園に、どんな吹雪の日も色とりどりのアノラックを着て元気に通ってくる子供たちの姿に心を打たれ、「この子どもたちが喜ぶ広場にしよう。」という思いが芽生えました。この思いが、アルテピアッツァ美唄の創生の火種となって立ち上がった美唄市と市民有志により、まちの過疎化や財政難の中、山の光を、人の思い出を残そうと、ひとつひとつゆっくりと積み重ねていき、今のアルテピアッツァ美唄へとつながっていきました。

アートスペース内部
アートスペースの今
私たちが誇るアルテピアッツァ美唄は、「芸術と自然と記憶」が融合した唯一無二の空間です。安田氏の作品を中心に、訪れる人々に深い感動を与えており、この空間が、この地に変わりなく存在し続けていることで、誰もが安心して帰れる「こころのふるさと」となっています。
この貴重な空間を未来へ受け継いでいくために、市では2022年に「旧栄小学校校舎(ギャラリー)」と「アートスペース」を市の文化財に指定しました。
しかし、この大切な空間の一部である、「アートスペース」が施設の老朽化により、存続が危ぶまれています。


過去から現在、そして未来へと
全国各地におられるアルテピアッツァ美唄とご縁がある皆様や、美唄市にご縁がある皆様から、クラウドファンディングという形で関わっていただくことで、これからもアルテピアッツァ美唄と美唄市を共に創っていきたいと考えております。
この場所には、美唄の歴史と、地域の人々の思いが詰まっており、その思いが込められた空間だからこそ、私たちはこれを次の世代へと繋げていきたいと考えております。
文化芸術の拠点として、地域にとってもなくてはならない存在であり続けるために、そして、アルテピアッツァ美唄がこれからも多くの人々に愛され、誰もが安心して帰れる「こころのふるさと」として、あり続けるために、温かいご支援を心よりお願い申し上げます。

アートスペース外観
寄附金の使い道
今回のご支援は、アルテピアッツァ美唄のアートスペースの再整備に充てさせていただきます。
再整備後は、唯一無二の空間としての価値をさらに高め、美唄市民が誇れる場となるよう、コンサートや講演会など芸術文化を通じた交流の場として、より多くの皆さまにご活用いただける集会機能を備える予定です。
(整備予定) 令和8年度
目標金額に達しなかった場合でも、ご支援いただいた寄附金は、当該プロジェクトに充てさせていただきます。また、目標金額以上の寄附をいただいた場合も、アルテピァッツァ美唄の整備に関するプロジェクトに充てさせていただきます。