里山の整備を行い、人と野生鳥獣の共存が可能な環境を。
生物多様性に迫る危機~人間活動が与える自然環境への影響~
日本の生物多様性は大きな危機にさらされています。
人間活動による影響が主な要因で、地球上の種の絶滅のスピードは自然状態の約100~1,000倍にも達し、たくさんの生きものたちが危機に瀕しています。
里山などの手入れ不足による荒廃、二次林や採草地が利用されなくなったことで生態系のバランスが崩れ、里山の動植物が絶滅の危機にあります。
また、シカやイノシシなどの個体数増加も地域の生態系に大きな影響を与えており、里山の動植物はダメージを受けています。
こういった状況を受け、七宗町では里山の自然を再生し、保全することで野生動物と共存可能な環境をつくることを目的として、2017年度からこの事業を立ち上げました。
過疎地域における生物多様性の現状~里山を再生し、野生動物との共存を実現する~
急速に進む過疎・高齢化の波は、野生動物と人との緩衝地帯として機能してきた里山の荒廃を加速させました。
絶滅の危機に瀕する多くの種を救わなければならない一方で、増えすぎた種や外来種とどう付き合うのかも重い課題となっています。
今回皆様のご支援により、人里と山林の間にある杉やひのきといった針葉樹を伐採し、広葉樹を植樹することで里山の再生を図ります。
本来野生動物というのはとても臆病な生き物です。そのため人間の生活圏に危険を顧みずやってくることは、昔はほとんどありませんでした。
野生動物が、わざわざ人間の畑を荒しに来る要因は、
・野生動物の生活圏が減っていること
・食べるものが少なくなっていること
・人間と野生動物の生活圏の境界線が曖昧になっていること
などが考えられます。
近年は、人間の生活圏が拡大する一方で、中山間地では過疎化が進み、集落やその周辺に人の手が入らなくなりつつあります。
このように、中山間地域の活動衰退が農地への鳥獣の侵入を許し、野生動物と人との接触が増えてしまっているという状況なのです。
未来のためにいま私たちにできること~豊かな里山の姿をとりもどす~
里山林の再生をめざして
人里と山林の間の緩衝地帯を整備します。
里山を保全・整備し、人里と山林の間に緩衝地帯を整備するための事業として、『ふる里・里山再生事業』が平成30年度に新たに採択されました。
寄附者のみなさまへ
本プロジェクトは8年目となり、ご協力いただいております皆様におかれましては、深く御礼申し上げます。
ご支援をいただきました皆様のご寄附をもとに、里山再生に向けて精一杯取り組んでいきます。
これまで、ふる里・里山再生事業を活用して、人の生活圏に野生動物が出没することを減らすため、針葉樹の伐採、広葉樹の植栽、荒廃地の整備や防護柵設置などのバッファーゾーン(人の生活圏と野生動物の生活圏との間の緩衝地帯)整備を実施してきました。
今後もさらに、針葉樹から実のなる広葉樹などへの転換を促進することで、バッファーゾーンとなる里山林の再生を図り、野生動物の生活圏を拡大させていくことで、共存可能な環境を目指していきます。
寄附金の使い道
・ふる里・里山再生事業
・林道付近の環境整備(草刈り、清掃等)環境整備事業
・環境保全林、里山整備事業
・森林整備地域活動支援事業
・間伐事業、バッファーゾーン整備
・獣害防護柵設置、看板設置 など