廃校活用による医療人材育成の取り組みを加速していきたい!
鳥取県江府町は、秀峰大山の南側の麓、奥大山と呼ばれる地域にあります。
少子高齢化や過疎化が課題ですが、安心に暮らせるまちづくりを進めるため、地域住民の命と健康にしっかりと向き合っていきたいと考えています。
今回のプロジェクトでは、旧小学校施設を拠点とし、まち全体をフィールドワークの場として捉えつつ、地域住民や患者さんにしっかりと寄り添っていける医療従事者の育成を目指していきます。
旧小学校施設のこれまで
旧俣野小学校は平成5年度に建てられ、2009年まで地域の子どもたちが学ぶ場として親しまれてきました。
廃校後、約10年間眠っていたこの場所が、2018年に「俣野ふれ愛学舎」として新たな息吹を得て、地域医療の研修施設として生まれ変わりました。
これまでに合宿形式での医療研修やワークが行われてきましたが、充分な学習環境を提供できていないのが現状です。
私たちは、地域医療を支える人材を育てるため、この場所をさらに活用していきたいと考えています。
旧俣野小学校の入り口
現状の取り組みについて
実際にフィールドへ出かけて住民の生活環境に触れながら、地域医療のこれからの可能性について、調査・研究を行っています。
課題を整理し、福祉や医療等がどう関わるか
まずは地域へ出かけ知ることから!
課題を整理し、福祉や医療等がどう関わるか
まずは地域へ出かけ知ることから!
誰でも自由に参加でき、お茶を飲みながら、閉じこもりや認知症の予防、生きがいづくりの場に。
施設活用事例(オレンジカフェの実施)
施設環境の課題について
現在の施設は、旧小学校の設備のまま、またネットワーク環境が充分ではない中で利用を行っています。
そのため、使いづらいと感じる点が多くあります。合宿利用時の利便性を高めるとともに、地域内外の交流の場として活用するためにも、改善は必須と考えています。
天板の低い旧理科室の水回り
かなり低い位置にある手洗い場
天板の低い旧理科室の水回り
かなり低い位置にある手洗い場
誰もが利用しやすいよう改修が必要
本プロジェクトで目指すこと
目標金額:4,000万円
学生や医師たちが安心して学べる場にし、地域医療の充実を図るため、次のような改善を行っていきます。
- 全館Wi-Fi設置:インターネット環境を整備し、学生たちが快適に学べる自習環境を提供します。
- トイレ・手洗い場・炊事場の改良:段差を解消し、小学生用の設備を大人向けに改良します。
- エアコン設置:合宿中も快適に過ごせる環境を整え、より多くの研修生を受け入れられるようにします。
- 網戸の設置:夏場も快適に滞在できるよう、虫対策を徹底します。
- 洗濯機設置場所の改良:合宿中の利便性を高め、快適な滞在環境を提供します。
これらの改善により、医療系学生や医療従事者がさらに多くの学びを得られる環境を作り上げ、地域医療の未来を支える人材を育成するとともに、地域コミュニティの重要な場所として育っていくことを目指します。
旧小学校施設(俣野ふれ愛学舎)を利用している医師の立場から
大塚 裕眞(おおつか ゆうま) 医師
大塚裕眞医師
昨年度1年間、江府町の江尾・俣野診療所で勤務させていただき、今年度からは鳥取大学地域医療学講座を主としつつ、週1日は変わらず江尾・俣野診療所で勤務をしています。
学生時代にサークル(地域医療研究部)で江府町にお世話になり、当時は別の場所で夏に1週間泊まり込んで、住民さんの自宅を訪問し聞き取り、事前配布・回収したアンケートの内容等を部員で議論し、その集落に合致した健康講座を実施していました。
今もサークルは脈々と受け継がれており、学生達がひとつ屋根の下、頑張っています。
私が今、地域医療をしているのはそのサークルのおかげと言っても過言ではなく、江府町という素晴らしい環境を、今後に繋げていくためにも学生が集える、地域住民も集いやすい場所が必要と考えられます。
また、学生教育だけでなく、地域の方が集まれる場、診療所機能の拡充など、今後に向けてもこの「ふれ愛学舎」が維持・発展することが、地域づくりの将来にとっても必要と思われます。
大塚裕眞医師
経歴
鳥取大学医学部 地域医療学講座 特命助教 総合診療医育成強化専門員
鳥取の総合診療・家庭医療専門医を育てるプログラム
総合診療専門医/家庭医療専門医
おわりに
この取り組みに共感してくださるみなさまからのご支援が、未来の医療を担う人材育成につながっていきます。応援のほどよろしくお願いいたします。