北海道しべつ町の美味しい牛乳と、試験栽培中の栗やツルコケモモを組み合わせた絶品ジェラートを作りたい!
牧草の生育に適さない土地が存在しています。
北海道の最東端、根室管内の中央に位置する標津町は、酪農と漁業の2つの産業に支えられた美しい町です。
農地は酪農に特化しており、牧草やデントコーンの栽培が大半を占めています。
しかし、標津周辺は元々湿地に近い土壌をしているため牧草の生育には向かない土地が含まれています。加えて、近年の気候変動や将来的な人口減少が予測される状況を踏まえ、標津町では、牧草の生育に適さない土地を活用した新たな林産物の生産を試みています。
牧草地
牧草の生育に適さない土地を活用して、新たな魅力を生み出す!
標津町では牧草の生育に適さない土地を活用して、新たな魅力を作り出すため、いくつかの特用林産物の試験栽培を実施しています。
現在は安定した需要が見込まれる栗やツルコケモモ(クランベリー)などの特用林産物を試験栽培しており、本プロジェクトではそれらと標津町の特産品でもあるしべつ牛乳を組み合わせたジェラートの開発を行います。
栗試験地
林業において、一般的に使われる木材以外の産物をさす「特用林産物」は重要な収入源です。
標津町では町内に自生するツルコケモモを国産のクランベリーとして、地域の新しい産物に位置づけ、栽培することを目指しています。
今、農作物になっているものも、元をたどれば自然の産物。同じように、町の中には、私たちが普段食べてはいない食物資源がまだ眠っているのではないかと考え、見出したのがクランベリーでした。
クランベリーはシリアルに入れるなど、さまざまな場面で食されていますが、そのほとんどは北米などの外国産。標津町はクランベリーが育つ湿地が多く、北米の産地と緯度や気候も似通っています。
自生しているツルコケモモの栽培技術はまだ確立されていないため、専門家の助言も得ながら産品化を目指しています。
町外の方にも人気のしべつ牛乳をより多くの人に楽しんでもらいたい。
しべつ牛乳は標津町で生産された生乳の中でも、乳質、乳成分にこだわって厳選した生乳を、風味やコクを損なわない85℃15分でじっくり殺菌した牛乳です。
町外からの取り寄せ依頼もある人気の牛乳ですが、一般の流通には乗っていません。そのため、今回のジェラート開発を通じてしべつ牛乳を多くの人に楽しんでもらいたいと考えています。
しべつ牛乳
絶品ジェラートのキーパーソン:高尾僚将シェフ
ジェラートの監修には、以前から標津町の特産物発掘を依頼をしていた、札幌でイタリアンレストラン「TAKAO」を営む高尾僚将(たかおともゆき)シェフに参加していただきます。
[森を料理する][森に付加価値を]、をコンセプトに掲げ料理を通して北海道の自然、風土、文化、先人の知恵を纏った道産子ガストロノミーを発信している高尾シェフのお力をお借りし、しべつ牛乳と将来の林産物の新たな可能性を発掘していただきます。
プロフィール
高尾僚将シェフ
高尾僚将(たかお・ともゆき)
北海道旭川市生まれ。東京やフランスで経験を重ねた後、25才でイタリア料理に転向。
2009年に札幌「oggiオッジ」開業後2016年に店名を「TAKAO」に変えて再スタートを切る。
2017年に北海道イタリアン史上初ミシュラン1つ星獲得。
2021年にゴエミヨ明日のグランシェフ賞を受賞、2024年にイタリアンウィーク100 ベストシェフ賞を受賞。
寄附金の使い道
集めた寄附金は以下の項目で使用させていただく予定です。
・原材料費
・レシピ監修費
・OEM製造費
・パッケージデザイン料
・商標登録の手数料
・その他資材の購入費
豆知識
「クランベリー」と呼ばれているものには、主に「ツルコケモモ」と北米原産の「オオミノツルコケモモ」との2種類があり、私たちが普段、食しているものは後者です。
ツルコケモモはオオミノツルコケモモよりも若干、身が小さいですが、国内に自生しています。
現在、標津町内では、町内の自生地から採取したツルコケモモの苗と、種苗会社から購入したオオミノツルコケモモの苗の2種類の試験栽培に取り組んでいます。