佐伯市の漁場環境を改善して、豊かな海・自慢の海の幸を守りたい!
1.プロジェクトの概要
佐伯市は大分県で最も水産業が盛んなまちで、県下の7割近い生産量を占めています。
リアス海岸の複雑な地形と森や川からの豊富な栄養塩に恵まれた漁場では、多彩な天然魚介類が漁獲されており、水揚げされる魚種は350種以上といわれています。漁法も多岐にわたり、地域ごとに特色ある漁業が営まれています。
また、波浪の少ない静穏な地理的条件をいかしてブリ類、ヒラメ等の養殖業が盛んに行われており、その生産量は全国トップクラスです。近年では、クロマグロやカキ類の養殖も行われています。
佐伯市では水産物のブランド化、流通促進のための販促活動・調査・商品開発などを支援するとともに、大分県特産のかぼす果汁を混ぜた餌で育てた「かぼすヒラメ」などの地域ブランドの認知度向上や生産者の所得向上を目指す取り組みを行っています。
2.プロジェクトへの想い
赤潮による漁業被害を減らす事で、「佐伯の海の幸」を守りたい。
近年は海水の富栄養化や気候変動などの要因により、有害プランクトンの大量発生、いわゆる赤潮が度々発生し、漁業被害が深刻化しています。
赤潮が発生すると、有害プランクトンの毒によって魚介類がへい死します。特にイケスから出ることの出来ない養殖魚には多大な影響を及ぼします。
佐伯市で養殖が行えなくなってしまうと、漁業関係者だけでなく魚の加工・流通に携わる方々にも悪影響が波及してしまいます。
大分県産のかぼす果汁を混ぜた餌で育てた「かぼすヒラメ」
「佐伯の海を守りたい」「海の産業に携わる方々の未来を守りたい」という想いで、今回のプロジェクトを通じ皆様からのご支援を募らせて頂きます。
3.プロジェクトの詳細
佐伯市では漁場環境を改善するために、以下の3つの施策を行っています。
施策1.「底質改良剤」の散布
佐伯市は漁協と連携してバクテリアの力を使用した「底質改良剤」を海に散布し、漁業被害を抑制する取組みを行っています。
▼底質改良剤の特徴
①微生物資材であり、海湾、養殖場などの底泥、水質、臭気等を分解改善する事が出来る。
②微生物が水域中に定着するので、一度の散布で長時間効果が持続する。
③パックのまま海に散布するが、生分解性の素材でやがて自然に還る。回収不要で環境に優しい。
底質改良剤散布風景
施策2.カキ類養殖による漁場環境改善
佐伯市ではカキ類の養殖も盛んに行われています。
食べても美味しいカキですが、実は非常に優れた海水の浄化能力を持っています。
カキは海中の植物プランクトン等を大量に取り込み、カキ1個で1日に400ℓもの海水をろ過すると言われています。
佐伯の牡蠣
佐伯市は県や漁協と協力して、赤潮が発生しやすい湾におけるカキの養殖手法を普及する事により、漁場環境の改善を図っています。
施策3.有機物除去マットの実証実験
佐伯市ではヒラメやトラフグ等の「陸上養殖」も盛んに行われています。
養殖場からの排水には有機物が含まれているため、漁場の栄養バランスを崩してしまう恐れがあります。
佐伯市では県や漁協と連携し、排水口の下に有機物を除去するマットを設置する実証実験を行っています。
陸上養殖の様子。ヒラメは土の中に潜んでいるため生け簀を茶色に近い色にしている。
4.寄附の使い道
今回のクラウドファンディングで頂いたご寄附は、「底質改良剤」の購入費用をはじめとして、現在行っている3つの施策の費用に充当させていただきます。
佐伯市の豊かな海の幸を次世代へと引き継ぐための大切な取組です。
どうか皆様からのお力添えをお願いいたします!