全国的な鮭の不漁。鮭と村上の長い歴史を未来に遺すため、鮭卵の確保や母川を守る団体の支援をしたい
全国的な鮭の不漁で、「鮭のまち」とも呼ばれる村上市は歴史的危機に陥っています。
村上は遡ること江戸時代に世界で初めて鮭の自然ふ化増殖に取り組み、畏敬の念から鮭の頭から先まで余すことなく食す、100を超える料理など独特の鮭文化が今も残る町です。
今も稚魚放流など、鮭の資源保護や母川の環境保護に毎年取り組んでおりますが、川に遡上する鮭があまりの不漁で、稚魚放流のための卵がほとんど確保できていない状態です。
鮭とともに歩んできた長い歴史を未来に繋げるため、みなさまからいただいたご寄附は、鮭卵の確保や関係団体の支援に活用させていただきます。
深刻な鮭の不漁が「鮭のまち」を襲った
新潟県村上市は1,000年以上の鮭の歴史があります。
古くは平安時代には朝廷に鮭を献上していた記録が残り、江戸時代には、村上藩が世界で初めて鮭の自然ふ化増殖に成功。
以来、鮭を守り育てる鮭のふ化事業を長年継続しているほか、鮭への畏敬の念から、独自の言葉や100を超えるといわれる鮭料理などの文化が色濃く残っていることから、村上は「鮭のまち」と呼ばれています。
鮭の伝統漁法が今も市内で行われ、12月には年末年始の食材として市内のあちこちの軒先に鮭が吊るされる光景が見られるなど、鮭が川に遡上してくる秋~冬は村上の観光のハイシーズン。
しかしながら、今年は深刻な不漁により、市内で鮭がほとんど見られない状態になってしまいました。
「鮭のまち」から鮭が消えた日
「すみません…只今、鮭が一匹もおりません!」
村上市には日本ではじめての鮭の博物館「イヨボヤ会館※」があります。
同館では川を遡上してきた鮭を捕獲して館内の水槽で展示していますが、不漁の影響で水槽が空になってしまう事態がおきました。
この状況をお知らせしたSNSの告知の一文は大きな話題となったところです。
騒動から4日後、なんとか鮭の搬入(わずかではありますが)が行われたものの、来年以降も「鮭は帰ってくるのか」「水槽で展示は叶うだろうか」と不安は尽きません。
※イヨボヤは村上の方言で「鮭」のこと。
全国的な鮭の不漁。「鮭のまち」を未来に遺せるか
近年は全国的に鮭の不漁が深刻な問題になっています。
新潟県内最大産地である村上市内を流れる三面川での2021年の漁獲量は近年で最低を記録、2015年は5万5,000尾ほどを記録したところ、2021年は1万8,000尾と3分の1以下まで減少してしまいました。
これに追い打ちをかけたのが2022年8月に村上市を襲った記録的な大雨。1時間100mmを超える猛烈な雨が断続的に降り続けた村上市では生活インフラの断絶、広域にわたっての浸水被害、500棟を超える住宅が全壊~半壊の被害を受けるなど、甚大な災害となりました。5年間を見込む復興活動に今も取り組んでいるところです。
そして、この大雨は三面川にも深刻な被害をもたらしました。川に土砂や流木が流れ込み、鮭の捕獲用仕掛けの土台が崩れるなど、これらの影響により2022年の漁獲量も引き続き落ち込みました。
災害を乗り越え、期待された2023年の漁獲量ですが、11月末時点でこれまでを大幅に下回る不漁に。
市内漁協にて毎春行っている稚魚放流のための卵も確保が進まず(令和5年11月末の時点で例年の10分の1程度)、来年以降の漁獲量に大きく影響がでる見込みです。今年1年の問題ではなく、将来の資源減少、「鮭のまち」を未来に遺せるのか・・・関係者一同危機感を高めている状況です。
村上の鮭を守る団体に支援をお願いします!
村上には鮭の母川の自然環境等を保全し、稚魚放流等を行う漁協があります。
しかしながら、前述のとおり稚魚放流に必要な卵の確保ができないことや、鮭の販売等による収入も激減したことから団体の運営自体が危機的な状況に陥っています。
母川を守る団体を失ってしまっては村上の1,000年以上続く鮭の歴史も危機的な状況を迎えることになります。
寄附金の使い道
みなさまからいただいたご寄附は、漁協団体の支援や鮭の保護、文化振興事業に活用させていただきます。
1.市内の内水面漁協団体の支援、稚魚放流のための卵の確保
2.鮭の保護に関わる事業、文化・観光振興事業費として
※目標金額に達しなかった場合、また、目標金額以上の寄附をいただいた場合でも、上記の取り組みへ大切に活用させていただきます。