すべての子どもたちへ、外遊びの楽しい体験の中でたくさんのふれあいが生まれる公園を。
1.プロジェクトについて
運動公園をリニューアルし、市内初のインクルーシブ遊具を設置します。
南足柄市は、子育て支援のさらなる充実を図るため、皆様からのご要望の厚い「魅力ある外遊びの場」を目指し、公園のリニューアルを行います。リニューアルを行うにあたり、新たな取組みとして、複数個のインクルーシブ遊具を設置するインクルーシブエリアを整備します。
2.プロジェクトへの想い
さらなる子育て支援の充実のため、魅力ある外遊びの場をつくります。
東京から車で約80分、神奈川県の西部に位置する南足柄市の子育て支援は、子育て世帯の方々との対話から発展してきました。令和4年4月には、子育て支援拠点施設「にこっと」がオープンし、児童福祉と母子保健の業務一体化を国に先駆けていち早く実現しました。子育て支援のさらなる充実を背景に、「魅力ある外遊びの場の整備」を重要な施策として実施することにしました。
子育て支援拠点施設「にこっと」
対話の中で受け取った想い これまでの公園では、遊びづらさを感じている子どもたちがいます。
お子さんを持つ保護者の方々とお話しするなかで、現れてきた公園の理想の姿があります。それは、「誰もが楽しめる公園」です。年齢や障害、その他様々な事情が心理的、物理的なバリアとなり、既存の公園では遊びづらさを感じているこどもたちがいます。(以下、令和5年春に実施したアンケートより)
アンケート
そこで、南足柄市は、再整備する役割の一つとして、インクルーシブな公園を取り入れることに決めました。インクルーシブ(INCLUSIVE)は、日本語では「包み込むような」と訳されます。インクルーシブ遊具は、様々な配慮によって、こどもの成長・発達に欠かせない遊びを誰もが公平に体験することを目的とした遊具のことです。
インクルーシブ遊具の例
こちらは、インクルーシブな遊び場に向けたあらゆる子が楽しめる回転遊具です。
背もたれの低い部分は、車いすから乗り移りやすい高さになっています。背もたれの高いシートや寝転べる広さがあり、姿勢の保持が難しい子も一緒に楽しめます。上に乗るのが怖い子も、外から回して遊べます。回す役と乗る役の役割分担ができるので、自然と会話が生まれる遊具です。
大型の複合遊具には、あらゆるこどもが同じ空間で多様な遊びを楽しめる工夫が詰まっています。
例えば、緩やかな起伏のついた大斜面の滑り台があります。最大7人のこどもで同時に遊ぶことができ、駆け上ったり、滑ったり、こどもたちが思わず駆け寄ってしまうような楽しい遊具です。滑り台の下にはベンチがあり、斜面を透過する光や影が楽しめる隠れ家のような空間となっています。
そのほかにも、運動レベルの違う複数の滑り台があるほか、遊具に登らずに遊べる仕掛けがあり、誰もが自分に合った遊びを見つけ楽しめるようになっています。
また、視覚過敏のあるお子さんのためにカラーリングにも配慮されています。
付き添いの大人が介助しやすいように随所に工夫がなされ、安全にこどもを遊ばせることができます。
ただ公園をつくるだけじゃない。公園で過ごす時間と体験をたくさんの人と共有し、インクルーシブな社会づくりへ。
この運動公園のリニューアルは、公園施設という形あるものを整備するものですが、南足柄市としては、利用者の皆様のお気持ちや交流、繋がりをとても大切に考えています。
公園で遊びながらいろいろな人とともに過ごし、多様性を当たり前の感覚として育んだこどもたちに、公園の外でも、温かい眼をもって相手のことを思いやり、人とは違う自分自身を大切にしながら自然に助け合えるようになってほしいというメッセージを込めて、公園という小さな輪から、インクルーシブな社会を広げていきます。
3.プロジェクトの詳細
整備予定地は、「南足柄市運動公園」 自然豊かな公園です。
整備予定地となる南足柄市運動公園は、南足柄市の丘陵に位置する、野球場などの本格的なスポーツ施設を備えた自然豊かな公園です。区域面積14haの広大な園内は、静かでゆったりとした時間が流れ、梅や桜、リコリス(彼岸花)など四季折々の花が楽しめるため、散策やピクニックもおすすめです。
園内図
老朽化が進み使用禁止となった遊具 公園の賑わいを取り戻したい。
長きにわたって愛されてきた運動公園ですが、アスレチック遊具や健康器具があるトリム広場は、老朽化により一部の遊具が使用禁止となってしまいました。かつてはこども達で賑わった遊具も物寂しく感じます。さらに、丘陵という地形上、階段や急勾配の坂道が多くあります。公園に訪れた小さなお子様連れの方からは、園内の移動が大変という声が多く寄せられています。
トリム広場
整備予定地となるトリム広場、ピクニック広場がこちらです。
ピクニック広場
誰もが使いやすく安全で楽しいエリアの整備をしていきます。
設置するインクルーシブ遊具は、いま検討を行っているところです。大勢での遊びを楽しむ遊具や落ち着いた遊びが好きなこどものための遊具など、様々な種類があります。また、遊具だけでなく、公園そのものが誰もがアクセスしやすく安全である必要があります。工夫と配慮がなされた楽しい遊具を複数設置し、健康器具エリアや対象年齢別遊具エリアと並んで誰でも楽しめるインクルーシブエリアとして整備します。大規模なインクルーシブ遊具の整備は、神奈川県の県西地域においても初めてとなります。
検討している遊具のイメージ
左:あらゆる運動レベルの子が集まることができ、音や光で遊べるパネル遊具等も備え、活発に遊びたいこどもとゆっくりと遊びたいこどもが一緒の空間で楽しめる複合遊具
中央:体を支えるサポートつき、または寝ころんで乗れるブランコ
右:自由な体勢で乗りこむことができ、外から回したり上に乗ったり、ふれあいが生まれる回転遊具
そのほか、狭い空間が好きな子が中に入って遊べる遊具などを検討しています。
これらは例であり、この通りの遊具が設置されるわけではありません。このほかにも、様々な種類の遊具を検討しています。
具体的な使い道
皆様から頂いたご支援は、経費を差し引いた金額を全てインクルーシブ遊具の設置及びインクルーシブエリアの整備費用に充てさせていただきます。
実施スケジュール
令和6年度から本格的に事業を実施し、令和7年度オープン予定です(トリム広場、ピクニック広場のみ)
リニューアルはインクルーシブ遊具だけじゃない!たくさんの遊具やアクセスしやすいスロープ、きれいなトイレ等も新しくしていきます。
運動公園の整備計画の全体像では、インクルーシブ遊具の設置のみならず、未就学児から小学生に向けた対象年齢別の遊具や大人向けの健康器具、段差解消のためのスロープ工事、トイレの改修などを含めた大規模なリニューアルを行います。足を一歩踏み入れれば豊かな自然を満喫でき、誰もが自由に心地よい時間を過ごすことができる。そんな公園を目指していきます。
4.最後に
インクルーシブ遊具を必要としている方々に、社会からの応援の気持ちを形にして届けたい。
一人でも多くの方にこのプロジェクトの想いが伝わり、ご支援頂けたら嬉しいです!
よろしくお願いします。
市長からのメッセージ
プロジェクトをご覧いただきありがとうございます。
南足柄市は、令和4年4月に、子育て支援拠点施設「にこっと」を開設しました。国の施策に先駆けて、児童福祉と母子保健の事業を一体化して、切れ目ない子育て支援の体制を整えてきました。
この度、「にこっと」の整備に引き続いて、子どもさんはもとより誰もが楽しく健康的に遊べる「外遊びの場」を整備いたします。特に、遊具の整備にあたっては、インクルーシブ遊具も設置し、魅力あふれる公園を目指します。
すべての子どもたちが外遊びの楽しい体験の中で、たくさんのふれあいが生まれる公園にしたいと考えています。
多くの皆様方の温かい想いがこもった公園となりますよう、皆様の格別のご支援をよろしくお願いいたします。
南足柄市長 加藤 修平