地域の暮らしをつなぐPJ第1弾!
本州最西端、山口県長門市にある湯治場「俵山温泉」
西の横綱と呼ばれるほどの効能を持つ秘湯でありながら、時代の流れと共に忘れ去られようとしていたこの町に今、新しい風が吹き始めています。
2020年に4名の若者が移住してきたことをきっかけに、活動開始から2年半が経過した現在、累計19名の移住者と、俵山のオンラインメンバーシップが100人を超えているコミュニティがひっそりと産声をあげました。コミュニティの名前は、俵山ビレッジ。
彼らのすごいところは、若者や身内で勝手に盛り上がっているのではなく、地域の人たちと非常に関係がよく、血縁を超えた家族のようなつながりを築いているところです。
地域とは、ひとである。―そんなことを身にしみて感じました。
人が生き生きとしていれば、その地域に光が灯る。
だから、地元の人も、移住者も、みんなが生き、活かし合う。
そんな「生活」と「暮らし」の灯に惹かれて、俵山での拠点づくりを決めた一人が私です。
ここで暮らそう、そう決めてから応募した長門市のビジネスコンテストでは優秀賞をいただきました。
左:私、中央:長門市市長、右:最優秀賞 森川さん
私が俵山を拠点に決めた理由は次の3つです。
- 人の魅力(地域に住んでいる方、移住者の方々、俵山に訪れる方)
- 食の魅力(半径20kmで海のもの、山のもの、畑のものすべてが揃う)
- 1100年湧き続ける温泉とそれらを育む豊かな自然
ページを御覧の皆様、初めまして。
北海道生まれ・北海道育ちの石田香織と申します。
私は、10代の頃から「社会をより楽しく、より良くする」という使命感を持ち、オーガニック飲食店の経営や農畜産加工品の企画販売、商品開発など、食や暮らしにまつわる仕事を行ってきました。北海道だけでなく、全国各地の持続可能な生産方法を実践する優しい挑戦者である生産者のもとを訪れて実際にメニューに使わせていただいていました。
そんな中、友人であった吉武大輔さんが始めた俵山ビレッジに訪れた時に、自分の活動の原点を思い出して、これからについて考えなおす機会を持つことができました。
元々、北海道で飲食店をスタートしたのも「持続可能な社会を創る」ための手段としてお店を開きました。食を通して、畑から繋がる川や海、森や山を守ることをしたり、オーガニックなコミュニティをつくり「体験」を重要にフィールドワークや「知る」ことの大切さを発信することを続けてきましたが、私は俵山に訪れてその地域で暮らす人たちとの距離が縮むごとに、限界集落、日本の未来への危機感を覚えました。これまで地域の方が暮らしを通して守られていた田畑や里山、そして温泉は、後継ぎとなる人が居なければ廃れていき、伝統や文化と共に、おいしい食を生み出す土地も減っていく。
今、日本各地でそういった限界集落はたくさんあります。
地域に残る風習や技術を守っていく世代が居なければ、持続可能な未来は創れないことを強く感じています。
そうして私は、この俵山をキャンパスに、地域の方から学び、生きる力を育む教育プログラムを創ろう!と決意しました。食べ物を生産しながら田畑や里山を守る術を学び、暮らしを紡いでいくことに挑戦する人を増やしていきます。
そして飲食店をやってきたからこそ「おいしいものには自然と人が集まる」ということを何度も経験させていただいた私がはじめに取り組むのはやはり食です。
プロジェクトの第一弾は俵山の魅力の一つでもある“お米”に着目し、子どもからお年寄りまでが安心して食べられるおいしい米粉の無添加の食品開発をさせていただきます。
日本の中心は「お米」です。
自分が暮らす土地でとれたお米を食べることで、その土地の風土をいただく。
その土地の風土があるから、その土地の暮らしが育まれます。
しかしそんな当たり前が値段のお手頃さや、通販の便利さなどで崩れかけています。
私は、自分の好きな大地・水・風・光・人々の愛がたっぷり詰まったお米を使って「おいしい」を届けたい。
今回はそんなお米を使った商品開発に挑戦します。
俵山は人口900人を切り、その60%以上が高齢者です。
高齢化に伴い、町の伝統行事、田畑や山の管理、更には大切な温泉の湯守りを続けることが厳しいという話を耳にします。どう考えたって若者が必要なこの町に、「おいしい」を通して関係人口や移住体験・多拠点でも暮らしをする人を増やしたい!と強く思いました。
その挑戦の第一歩目が今回のプロジェクトとなります。
お米がおいしいこの地域、米原料の活用方法として三つの商品を考えています。
- 無添加米粉ドーナツ
- 俵山ピザ
- 俵山現地で食べる 薬膳粥
私たちが構想している事業の1ページ目をぜひご一緒していただけたら幸いです。
そして、ノスタルジックな雰囲気がただよう俵山温泉へいつの日か訪れてみてください。極上の温泉と素朴な暮らしと自然があなたの来訪をお待ちしています。
石田香織