水産拠点としての「三国港市場」で朝市を開催したい!
当たり前にあり続けると思っていた「市場」が消える?
福井県坂井市の「三国港市場」は、北前船交易の寄港地として古くから繁栄してきた三国港に位置する、市内唯一の市場です。
三国港では、ブランドガニとして全国的にも知名度の高い「越前がに」や、ぷりぷりとした食感とねっとりとした濃厚な甘みが特徴的な「甘えび」など、良質で新鮮な海産物が水揚げされます。
坂井市の水産業を支え続けてきた三国港市場ですが、今、存続が危ぶまれています。
良質な海産物が揚がる三国港市場ですが、取扱魚種や水揚げ量の少なさから海産物を売買する市場としての魅力が低く、また漁業者にとっても高値で取引されない市場として認識され、三国港沿岸で漁獲した海産物もより高く売れる他の市場へ流出するという「負の連鎖」が大きな問題となっています。
漁業者も、地元の魚を地元の人たちや地元を訪れた人に食べてもらい、漁師町三国としてまちを盛り上げたいという想いがあるものの、生計を立てるためには他の市場へ漁獲物を流出させる他なく、理想と現実の差に苦しい想いを抱えています。
このような中で、三国港市場の開設・卸売りを担ってきた福井県漁連も市場からの撤退と他市場との統合を計画しており、三国港市場の消滅もささやかれるようになりました。
三国港市場の消滅は、皇室献上品となるほどの良質な三国港ブランド「越前がに」などの消滅も意味し、水産業のみならず、観光・商業への影響も甚大なものとなることが予想されます。
この危機を脱し、水産拠点である三国港市場を存続させるため、地元漁協の出資により一般社団法人三国港市場が設立され、県漁連に代わる市場の開設と賑わい創出に乗り出しました。その取り組みの一つが、朝市と三国港産水産物を使用した朝市食堂の開催です。
しかしながら、この朝市と朝市食堂を継続していくための運営費用は、一般社団法人三国港市場の収益や各事業者などの朝市への出店費用だけで運営するには厳しい状況にあります。
市民や観光客に愛される「食と観光の交流拠点」にしたい!
いただいた寄附金を活用し、現在開催している日曜朝市と朝市食堂をさらに充実させます。
具体的には、朝市開催のための店舗数拡大に向けた募集・管理にかかる経費の他、より観光客や市民に足を運んでもらいやすくなるようホームページ・SNSを活用した集客PRの拡充、また旬の水産物をPRするためのイベント開催費・会場警備費、訪れた人の満足度をより高めるために朝市食堂で提供するメニューの考案や食材の仕入れ、衛生管理などのためのコンサル費用に活用します。
現在も高い人気を誇る、朝市で購入した商品をその場で炭火焼きができる「炭火焼きコーナー」や旬の海産物を使用した海鮮汁とごはんを提供する朝市食堂の充実をはじめ、鮮魚や干物はもちろん、汐ウニなど水産加工品や地元事業者手作りの弁当・総菜・菓子など、坂井市のおいしいものをさらにバラエティー豊かに集めて朝市で販売していきます。
負の連鎖を賑わいの好循環へ!
朝市の賑わいは、朝市を開催する三国港市場全体のブランド力アップと自走力アップにつながります。朝市で提供される地元の海産物を多くの消費者に味わっていただくことで、「三国港の海産物は新鮮で美味しい!」という価値に気付いていただき、朝市はもちろん、県内外のスーパーなどで三国の海産物を選んで購入する消費者が増えていきます。
三国港の海産物の需要が高まることで、市場としての価値や買受業者による海産物の買取価格が上がり、一般社団法人三国港市場の収益で朝市を運営していくことができるようになります。市場という閉鎖的だった場所に、誰もが訪れることのできる朝市という仕掛けを組み入れることで、負の連鎖をブランド力・自走力アップの好循環に置き換え、漁師町を訪れた観光客はもちろん、市民に愛される食・観光の交流地点の創出を目指します。
魚価の向上をもたらすとともに、漁業者自身の努力により朝市と朝市食堂が賑わいをみせることで、朝市に出店する漁業者や朝市を訪れる「ひと」、水産業はもちろん関係する「しごと」の活性化により、三国港市場を取り巻く「まち」全体に賑わいを波及させます。
いただいた寄附金は朝市・朝市食堂の運営に活用します!
朝市開設事業(運営費など)
※当事業は5か年計画で実施する予定であり、今回の募集では事業計画の一部に相当する金額を募ります。