令和2年7月豪雨で被災した地域間交流施設 くまりば
天然温泉を復活させ、人吉の良質なひのき材を地域内外にPRしたい
被災前の施設
プロジェクトを実施する人吉市まち・ひと・しごと総合交流館くまりばは、旧国民宿舎をリノベーションし、IT企業が入居するシェアオフィス、コワーキングスペース、会議室、簡易宿泊施設などを兼ね備えた産業振興や地域間交流のための複合施設です。
元々公営の宿だったこともあり、旅館時代の温泉施設をそのまま活かし、良質の源泉かけ流しの温泉と檜風呂が自慢。
被災前は、温泉施設を併設している珍しいワークスペースとして知る人ぞ知る施設でした。
被災後の様子
令和2年7月4日早朝。すぐそばを流れる球磨川は堤防を越え、1階にあった温泉施設は天井を超えて冠水。
多くのボランティア活動のご協力により堆積土砂の掻き出しは完了しましたが休業はいまだつづいています。
しかし、幸いにして大切な源泉は止まることなく、今でもこんこんと湧き出てています。
人吉市復興の拠点として
関係人口創出の拠点として活性化しつつある くまりば
くまりば内コワーキングスペース osoto Hitoyoshi
2階以上の復旧修理は発災後7か月後には完了し、これまで復興の拠点として活発に利用されています。
被災後新たに、社会人の学び舎である「ひとよしくま熱中小学校」、人吉球磨ワーケーション実証などの地方創生事業も始まり、そのメイン施設として、多くの利用者が訪れるなど関係人口創出の拠点として活性化しつつあります。
しかし、施設のシンボルであり、人吉温泉郷のシンボルでもある温泉施設はいまだ休業中のままです。
ブランド木材「くまひのき」で「シン・ヒノキブロ」として復活
人吉の山から切り出し、人吉で製材した良質なひのき材の素晴らしさを地域内外にPRしたい
熊本県は日本一のひのきの産地(令和2年)です。
中でも人吉市を中心とする人吉球磨(ひとよしくま)地方は一大産地であり、伐期を迎えた良質のひのき材の蓄積量は日本でも有数です。
日本の林業・木材業は、安価な外国産材に押され、長く低迷しています。しかし、近年では輸入材の高騰や防災、カーボンオフセット、SDGsなどの観点から、豊富な森林資源の価値や、その多面的機能が見直されつつあります。
男湯 完成イメージ
女湯 完成イメージ
今回のプロジェクトでは、くまりば温泉の復活にあたって、被災前からあったひのき浴槽をそのまま復活するだけでなく、大切な地域資源である「くまひのき」で装飾し、温泉全体をひのきが香る「シン・ヒノキブロ」に生まれ変わらせたい。
そして、人吉の山から切り出し、人吉で製材した良質なひのき材の素晴らしさを地域内外にPRしたい。
さらには、地球環境にやさしく我が国で唯一自給可能な森林資源の大切さと、身近に木材のある暮らしの良さを多くの方々に知ってもらいたい、と願っています。
寄附者の皆様へ
人吉市長 松岡隼人
全国の皆様から令和2年7月豪雨災害の復旧・復興へご支援を賜りお礼申し上げます。
いかにして「まち」や「ひと」、「しごと」を創生し、地域の活力を取り戻していくかといった地方創生の施策を一体的に整備した「くまりば」では、被災前から関係人口創出の拠点として、皆様に愛されてきました。
人吉市内も復興が進んでおりますが、「くまりば」のシンボルであり、人吉復興のシンボルとなる温泉施設が、まだ復興できておりません。
是非、全国の皆様からのご支援を賜りますようお願い申し上げます。