秋田県の最南端にあるにかほ市は、南に鳥海山、西に日本海を臨む、山と海に抱かれた風光明媚で、昔から漁業が盛んな漁師町です。春夏秋冬、様々な魚介類が水揚げされます。
海中に鳥海山の伏流水が湧き出る環境で育った岩ガキは、大きく肉厚で古くから、夏の風物詩として親しまれてきました。夏には多くの観光客が大きな岩ガキを目当てに訪れ、飲食店のお勧め料理の一つになっています。また約300年の歴史がある祭りの「掛魚(かけよ)まつり」は、市の魚「真鱈(タラ)」を船主が担ぎ、海上安全、豊漁を願って町内を練り歩くという奇祭です。
このように、にかほ市は海の恩恵を身近に受けながら暮らしてきました。
伝統的な産業である漁業ですが、近年は燃料費の高騰や魚価の低迷などにより新たな設備投資などが難しく、安定的な漁業運営が難しくなっています。また、少子高齢化による後継者不足も大きな課題です。
そこに追い打ちをかけているのが、近年の異常気象です。台風や豪雨、爆弾低気圧により漁港に大量の土砂が堆積してしまい、船が出航出来ないという問題が発生しています。当然、出漁できなければ漁業経営、漁業者の生活に深刻な影響が出てしまうため、市では毎年、漁港の浚渫(しゅんせつ)工事を行っています。漁港の浚渫とは、船が航行できる安全な道をつくるために、堆積した土砂等を取り除くことです。
この浚渫費用は年々増加しており、令和3年は通常の航路を人が歩ける程、大量に堆積し、およそ1,200万円もの費用がかかりました。今後も費用の増加が見込まれるため、今回、皆さまにご支援をお願いいたします。
クラウドファンディングでいただいた資金は、全額、浚渫費用に充当します。浚渫工事は市が管理する「小砂川(こさがわ)漁港」で数回予定していますが、今年だけで費用に充当できない場合は、基金に積み立てて来年以降に充当させていただきます。
にかほ市の漁業をなくすことはできません。この浚渫で恩恵を受けるのは、魚を獲る漁師さんだけではありません。魚を流通させる仲買人、魚介料理を提供する市内の飲食店や旅館業、そして魚介料理を堪能するのは観光客や市民です。皆さまのご支援は、市全体の活性化の一助となります。皆さまのご支援を、心よりお待ちしております!