ライオン、トラに加え、新たな猛獣が、幸せに暮らせるよう猛獣舎のリニューアル工事を行います。
日立市かみね動物園のエントランスの様子
はじめまして。日立市かみね動物園です。
この度は、数あるプロジェクトの中から、当ページをご覧いただきありがとうございます。
かみね動物園は、茨城県唯一の動物園として、日立市民やたくさんのお客様に支えられながら動物の魅力や素晴らしさを伝えてきました。
開園当初はニホンザルやツキノワグマなど、4種7点の小さな動物園としてスタートしましたが、翌年にインドゾウが入園したのを皮切りに、トラ、ライオンなど次々と人気動物を迎えてまいりました。
開園50周年となる平成19年度から動物園のリニューアルを進めておりますが、いまだ老朽化した獣舎も数多く残っているため、今後も段階的に獣舎のリニューアルを行い、動物園の魅力向上や活性化を図っていきます。
アジアゾウの「ミネコ」と「スズコ」がお出迎え♪
コンクリートの壁に囲まれたライオン?
現在の猛獣舎は、昭和44年に造られたもので、獣舎の老朽化が進んでおります。
また、土地の形状を利用したすり鉢状のピット式(コンクリートで囲まれた空間)という獣舎・放飼場で、日当たりや風通しが悪く暑さ寒さも過酷な飼育環境となっています。
来園者が上から見下ろす展示となっており、動物との距離が近く、檻やガラス越しでなく直接間近で観察できる特徴はあるものの、一面的で視点に変化がなく、面白みに欠けています。
また、上から見下ろされるのは動物にとって非常にストレスで、動物本来の行動をとりづらい環境にあります。
現在のライオン獣舎の様子
猛獣舎のどんなリニューアルを行うの?
近年の動物展示では動物の生息地に合わせた生態展示が行われています。今回のリニューアル工事では、生息環境に即した植栽を行うことで、動物が木陰に入って休むことや、動物本来の暮らしを観察することが可能となります。
整備コンセプトとしては、動物の飼育環境の向上を図り、大型ネコ科動物の「野生に暮らす姿」を伝え、来園者に新しい視点で観察できるよう魅力的な展示施設とします。
- 空間的な近さを考慮し、ガラス越しに観察できる獣舎
- 擬岩を用いた景観や複数の場所から観察できる獣舎
- 来園者が利用しやすいユニバーサルデザインに配慮した動線の確保
- 飼育員の安全に配慮した飼育バックヤードの管理動線の確保
新猛獣舎完成イメージ図(様々な角度から猛獣たちを観察!)
新猛獣舎完成イメージ図(バリアフリーに対応した園路の様子)
新たな猛獣がやってくる!!!
猛獣舎のリニューアルにあたっては、三大陸を代表する大型ネコ科動物三種を展示します。現在、かみね動物園にはすでにライオン(アフリカ大陸)とトラ(ユーラシア大陸)を飼育していますので、これにアメリカ大陸の新たな猛獣を加え、各大陸の大型ネコ科動物の違いを観察できる比較展示形式として令和4年夏頃のオープンを目指しています。
三大陸を代表する猛獣が一同に!
かみね動物園のモットーは「楽しく入って学んで出られる動物園」
動物園は、学校や仕事などの日常から解放され、ひとときの癒しや安らぎを求めるレクリエーションの場です。そこでは、思い切り非日常の空間を楽しんでほしいと思います。
また、動物園は、生き物を展示する場でもあり、そこでは命を繋いでいかなくてはなりません。それは希少種に限ったことではなく、日々動物を観察し、調査、研究し、同時に調査研究したことを私たちの知識だけにとどめるのではなく、多くの来園者や市民に還元する責務があると思います。
そのため、様々な掲示物や媒体、あるいはイベントなどを通して動物への理解や関心をもってもらい、同時に動物たちのおかれた現状も知ってもらうことができます。
「チンパンジーの森をつくろう」の様子
さらに近年は、動物福祉に関しても運営する側の意識向上が求められています。当園でも動物たちの健康や環境面に配慮したハズバンダリートレーニングや環境エンリッチメント対策に日々取り組んでいるところです。動物たちが幸せに、そして来園するお客様もそうした動物たちを見ることで少しでも動物園を理解してもらえたら、と願うところです。
でも、私たちは最初から敷居を高くすることは考えていません。とにかく非日常空間である動物園を思いっきり楽しんでほしい、でも帰るころには知らず知らずに動物に関して学ぶことができる、そんな動物園にしたいと思っています。
当園のモットーは「楽しく入って、学んで出られる動物園」です。野生由来の展示動物の観察をすることで、動物への関心を高め、ひいては動物たちのおかれた環境や命の尊さにまで思いを馳せていただけたら幸いです。